「初めて先生と会ったとき、この人は『魔女』かしらと思いました」と語るのは託児所を経営しているHさんである。(30代女性)。衣装は黒いし、部屋も暗い。髪の毛も長く黒かった。今から10年ほど前のことである。
その頃Hさんは、大学病院の小児科でナースをしており、職場に相容れないものを感じていた。「組織優先で、先輩や上司は絶対。そんななかで私は異端児扱いされ、周囲からもナースに向かないといわれていました。」
友人の紹介で先生に恋愛運などを診てもらっていたが、次第に仕事の相談もするようになる。「先生はモチベーションを上げるのが上手なんです。私がナースに 向いていないなどとは表現せず、『あなたは上に立って何か作り上げるのが向いている』と言ってくれるんです」Hさんは俄然元気が出て、独立。友良先生殻の アドバイスも得て、小児科ナースの経験を活かせる託児所に注目した。従来とは異なるコンセプトで銀座と六本木に託児所をオープン。これがテレビでも取りあ げられるほどの話題となった。ビジネスだから順風満帆というわけではない。そんなときは必ず友良先生の所に足が向かう。
「先生はやっぱり上手なんです。『Hさん、そろそろお休みになってもいいんじゃないですか』と語りかけるのです。こう言われると私は逆に発憤してしますの です「。猛烈にエネルギーが湧き出るのです」と、Hさんは笑う。付き合いが進むうちに、魔女のイメージはだんだん消えていった。「よくいうと『精神科 医』。キチンと分析して、私たちに自身を持たせてくれます。でも結構天然なんですよね。おっちょこちょいで親しみが持てます。だから大好き。気軽に相談が できます」とHさんは微笑んだ。